小学校受験は、出題された問題の正誤判定だけでなく運筆力も重要視されます。
ただ、隙間時間に勉強しようとしても移動中などで紙とペンを使った学習ができないということもあるでしょう。
そういった場合におすすめなのが、アプリを使った学習方法です。
そこで本記事では、アプリを利用して勉強するメリットやデメリット、また注意点を解説していきます。
アプリで勉強できる小学校受験の問題の内容
学習アプリは各社からさまざまな種類のものが出ていて、基本的に無料でダウンロードできます。
提供先は大手の幼児教育教室が多く、課金することでさらに充実したサービスが受けられる仕組みです。
学習内容としては、「数量」や「図形」、ほかにも「言語」「推理・思考」などがあります。
各アプリによって「数量」に突出したものや「言語」に強いものがあるため、その特徴によってどのアプリを利用するか選ぶ必要があります。
基本的に無料でダウンロードできるため、使い勝手や学習内容を試し、その中から子どもが興味を持つものや特に身につけたい内容のものを選ぶと良いでしょう。
さらなる学力の向上を目指すのであれば課金するのも一つの方法で、無料版にはない問題やアプリ開発先からのアドバイスを受けられるものもあります。
小学校受験の問題をアプリで勉強する4つのメリット
小学校受験の問題をアプリで勉強する主なメリットとしては以下の4つがあります。
- どこでも勉強できる
- 得意・苦手な分野を把握できる
- 子どもひとりでも取り組みやすい
- タブレット端末に慣れる
ではそれぞれについてみていきましょう。
どこでも勉強できる
勉強するのであれば机と椅子、筆記用具や参考書などが必要で、これらが揃うのは学校や自宅などに限られます。
しかしアプリであれば端末さえあればどこでも勉強できるため、移動中やバスなどの待ち時間といった隙間時間が利用でき、学力の向上に役立ちます。
またご両親の持っている端末を使えば新たに買い与える必要もなく、余計な荷物が増える心配もありません。
学力を身につけるにはとにかく学習時間を増やすことが重要なため、アプリはその点において大きなメリットがあります。
得意・苦手な分野を把握できる
小学校受験ではすべての科目をまんべんなく学習し、苦手な科目や問題があればそれを克服しなければいけません。
ただそれにはどの分野が苦手なのかを見つける必要があります。
紙の問題集では、ご両親がその問題集を見て1つ1つチェックし苦手分野を探し出さなければいけません。
この場合、ご両親の負担も大きく、さらにその専門家ではないため適切なチェックができない可能性もあります。
しかしアプリであれば、すべてがグラフや数値として視覚化されるため、苦手分野だけでなく得意分野も把握でき、効率的な学習ができるのです。
子どもひとりでも取り組みやすい
小学校入学前の幼児ではまだ文字が読めないケースも多く、その場合、ご両親が問題を読み上げる必要があります。
これでは子どもが問題を理解するまでに時間がかかり、学習速度も遅くなってしまいます。
しかしアプリであれば読み上げ機能が搭載されているものがあり、ご両親がいないときでも子どもひとりでも学習ができます。
さらにゲーム感覚で取り組めるものもあり、子どもの勉強へのモチベーションも保て、飽きることなく学習を続けられるのです。
タブレット端末に慣れる
文部科学省では学校教育に端末を導入するICT教育に力を入れていて、同省のデータでは授業に端末を使っている割合は、全国の公立小学校等では96.1%となっています。
もちろんこの先もこの流れは進んでいくと見られ、タブレット端末は今や学習ツールとして定着しているのです。
つまり小学校に入学すればタブレット端末の使用は必須であり、小学校によっては学習以外にも児童同士のコミュニケーションツールの役割も果たしています。
そのため、できる限り早い段階でタブレット端末に慣れておけばスムーズな学校生活が送れるでしょう。
また、受験にタブレット端末を使うところもあるため、操作のストレス軽減にも繋がります。
小学校受験の問題をアプリで勉強する3つのデメリット
小学校受験の問題をアプリで学習するデメリットには主に次の3つがあります。
- 体や生活リズムへの影響
- 実体験の不足
- 依存性がある
メリットばかりを見るのではなく、こうしたデメリットについても把握しておくことも受験には必要です。
体や生活リズムへの影響
スマホを長時間使用し続けると、「スマホ首」「ストレートネック」と呼ばれる姿勢になりやすく、首だけでなく肩や腰にも負担がかかってしまいます。
この姿勢が体に及ぼす悪い症状としては、主に凝りや痛み、頭痛があり、中には手がしびれ、めまいや吐き気を訴える人もいるほどです。
さらに画面から放射されるブルーライトにより睡眠の質や日常生活のリズムに影響が出る心配もあります。
そのため、スマホやタブレット端末での学習には時間制限を設けるなどの対策が必要です。
実体験の不足
スマホやタブレット端末での学習に備わっていないのが、実体験での学習です。
たとえば実際の受験問題で多く出題される積み木の問題は、アプリでも学習できますが、これを実際の積み木を使って、実体験として学習するほうがより理解が深まります。
目で見て頭で考えるといった方法だけでなく、目で見て実際にやってみて考えるといった方法を取り入れることで、実体験の不足を補えるのです。
また、実際の試験では紙とペンを使って解答する形式が多く、アプリでおこなうようなスワイプやタップといった方法はとられません。
そのため紙とペンを使い、実際の解答方法に慣れておく必要があるのです。
依存性がある
アプリには子どもを飽きさせないようなさまざまな試みが施されています。
その多くはゲーム感覚で学習できるといった機能で、勉強している感覚よりも遊んでいる感覚のほうが強くなることがあります。
そのため、依存性が高くなり実生活に影響が出てしまう可能性があるのです。
また、1つのアプリだけに集中してしまい、ほかの学習が疎かになってしまう恐れも考えられます。
こちらも時間制限などのルールを決めて対処すると良いでしょう。
小学校受験の問題演習にアプリをどう取り入れる?
小学校受験の問題演習にはアプリを取り入れた学習が有効とされていますが、その取り入れ方は各家庭の方針に委ねられます。
ただ移動中や外出先、待ち時間などの隙間時間に学習できるといったメリットは活かすべきでしょう。
また、学習の進捗管理も人間の感覚よりもデジタルデータのほうが正確に把握できるため、この機能を利用することで効率的に学習を進められます。
特にどの問題や分野が苦手なのかを知り、間違った問題の復習をするのにこういったアプリの進捗管理機能は便利なため、積極的に取り入れるといいでしょう。
小学校受験の問題をアプリで勉強するときの2つの注意点
小学校受験の勉強に便利で効果的なアプリですが、利用の際の注意点もあります。
- アプリだけで勉強を終わらせない
- 長時間の使用を避ける
長時間の使用を避ける
特にこの2点については充分理解し、そのうえでアプリを利用してください。
アプリだけで勉強を進めない
小学校受験ではほとんどの小学校で紙による問題が出題され、解答はその用紙にペンで記入します。
試験では解答の正誤だけでなく、そこに書かれた文字の運筆力も見られるため、アプリばかりで勉強していると紙への対応がうまくできなくなる可能性が高いです。
特に最近は筆圧の弱い子どもが増えつつあり、この運筆力は意外と合否の評価に関わります。
そこで普段から鉛筆などで文字を書く習慣を身につけておくと、試験官に対してのアピールになります。
アプリと紙の問題集とのバランスを考えた学習も1つの注意点として知っておきましょう。
長時間の使用を避ける
タブレット端末での学習は、時間が経つのを忘れてしまい睡眠や食事など生活のリズムを狂わせるリスクがあります。
寝不足や不規則な生活は、特に発育期でもある幼児の体にとって大きな害を及ぼす危険性もあり、アプリでの長時間の学習は避けたほうが良いでしょう。
そのためには、ご両親が使用時間や就寝時間についてはっきりとしたルールを決め、それを子どもに徹底させる必要があります。
せっかく志望校へ入学できても、体調を崩してしまえば元も子もありません。
子どもの体調は親が管理してあげてください。
まとめ
小学校受験の勉強方法の1つとして、最近ではアプリによる学習が定着しつつあります。
どこでも勉強ができ、苦手分野の把握ができるなどのメリットがある反面、依存性があり体や生活リズムへの影響が懸念されます。
また、実際の小学校受験では紙の解答用紙にペンで解答を記入するのが一般的なため、ペンを使った学習も怠ってはいけません。
アプリと紙とのバランス、アプリの使用時間などルールを決めて効率的な学習をおこない、志望校への合格を目指しましょう。