子どもにより良い教育環境を与えたいと考える方のなかには、小学校受験を検討する方もいるでしょう。
小学校受験を検討している際に、自分の学歴が合否に影響するか心配してはいませんか。
本記事では、小学校受験における親の学歴の影響や、小学校受験に高学歴の親が多い理由を解説します。
親の学歴以上に重視されるポイントも解説するので、小学校受験の参考にしてください。
小学校受験の合否は親の学歴だけでは決まらない
親の学歴のみで合否を判断するケースはありません。
たとえ親の学歴が低くても、難関の小学校に合格する可能性があります。
もし親の学歴のみで合否を判断するのであれば、ペーパーテストや運動テスト、面接試験を実施する意味がありません。
親の学歴が合否に影響しない理由は、小学校教師が、親の学歴と子どもの優秀さは関係ないと理解している点です。
小学校の先生は、親と子どもの人格は別物であると理解しています。
面接で家庭の教育方針を聞かれる場合がありますが、これはあくまでも家庭と学校の方針に差はないかを知るため。
そのため、親の学歴で合否を決めようとは考えていません。
自分の学歴に自信がなくても、安心して小学校受験に臨みましょう。
小学校受験の願書に親の学歴や職歴を記入するのはなぜ?
小学校受験の合否は親の学歴で決まるわけではありませんが、アンケート名目で親の学歴を聞くケースがあります。
親の学歴がわからなければ、学校側は親に関する情報を得られません。
親の学歴を聞く理由は、以下の2つです。
入学する子どもはまだ保護者と切り離せない存在だから
小学校入学前の子どもはまだ幼く、親の保護が必要だからです。
そして、幼い子どもは親の影響を強く受けるものです。
提出書類や面接などで親が育ってきた経歴を知り、日常生活の基本が身についているかを知りたいと考えています。
中学・高校・大学受験は子ども本人の学力を測るため、保護者の経歴は関係ありません。
一方、小学校受験に臨む子どもは学力では正確に測れないため、基本的なマナーや基礎知識や思考力を測ります。
こうした基本のことは親から学ぶものであり、親がどういう人間なのかを知りたいわけです。
そして、学校側が親に関して知りたい情報に、学歴があります。
ただし、親がきちんと子どもを教育しているかどうかや、子どもを保護できる能力があるかを見極める参考材料の1つに過ぎません。
経済的負担や教育方針への理解度を判断したいから
願書に家族欄があるのは、小学校6年間あるいはそれ以上の期間、学費を払い続けられるかどうかを知りたいからです。
仮に子どもに能力があっても、親に学費の支払い能力がなければ、学校側は入学させるのに不安が残ります。
また、学校は自分たちの教育方針を親がどれくらい理解しているかも知りたいものです。
仮にキリスト教系の学校であれば、両親がキリスト教の教育をおこなっているかを確認したいと考えるでしょう。
親が宗教教育に理解をもっていれば、安心してキリスト教の教育をおこなえるだろうと、好印象を持ってくれます。
宗教でなくても、学校の教育理念や方針を理解してくれれば、学校側は好印象を持ってくれるものです。
経済面や教育方針の情報は、親が育ってきた環境から読み取るものであるため、判断材料の1つに親の学歴があります。
小学校受験に高学歴の親が多い理由
国立や私立の小学校に進学する子どもの親の多くは高学歴です。
ちなみにここでは、Cランク以上、偏差値55〜65以上の大学を高学歴と定義します。
小学校受験に臨む家庭に高学歴が多い理由を2点ご紹介します。
国立・私立小学校=進学校という位置づけだから
国立や私立の小学校は進学校の位置づけであり、そういった学校に進学させる家庭は教育熱心である割合が多くなります。
子どもに早くから良い教育を受けさせたい、進学校に通わせたいと考える親は、自分も同じように良い教育を受けてきた可能性があります。
国立小学校や私立小学校には受験があり、ペーパーテストや面接試験を突破しなければいけません。
そういった学校に進学するには、早い時期から準備をしなくてはいけません。
教育熱心な家庭は、幼稚園の入園と同時に対策をはじめます。
より質の高い教育を受けさせたいから
国立や私立の小学校を志望する理由に、質の高い教育を受けさせてあげたい思いがあります。
国立や私立の小学校は、英語やICTに特化していたり、小学校低学年から教科担任制になっていたりと公立にはない高品質な教育が特徴です。
質の高い教育を受けさせたいと考える親は、自分自身も質の高い教育を受けてきたケースが多くみられます。
自分のように高学歴になってほしいと考え、小学校受験を選択するのです。
小学校受験で親の学歴よりもチェックされるポイント
面接では、親の学歴よりも重要な項目があるのをご存知ですか?
重要なポイントを知っておくと、受験対策で役に立つはずです。
ここでは、面接試験でチェックされるポイントを解説します。
親の教育方針
親の教育方針は子どもに大きな影響を与えるため、家庭で子どもにどういった方針で教育しているのかが面接で見られています。
教育方針をしっかり決めていれば子どもの将来像がよく見えるため、面接で聞かれた際にきちんと答えられるはずです。
反対に教育方針をしっかり決めていないと、子どもの将来像がイメージできないため、子どもに何をさせるべきかわかりません。
ただし、親の教育方針がしっかりしていても、学校の方針と合わなければ合格できません。
仮に家庭の方針が「のびのびと育てる」で、学校の方針が「学力向上を重視」だと、双方の相性は良くありません。
学校が教育で何を大切にしているのかをしっかり見極めて、家庭の方針と相性が良い学校を受けましょう。
家庭環境が良好か
仮に子どもが間違ったことをしている際に、頭ごなしに怒っていませんか?
親が頻繫に子どもに怒っていれば、子どもが萎縮してしまいます。
子どもは、自分の気持ちを伝えると怒られると考えてしまい、気持ちを伝えられません。
家庭でよく怒られる子どもはストレスがたまってしまい、激昂しやすくなります。
小学校からは集団行動が重要視されるため、すぐ激昂して集団の空気を悪くしてしまわないか心配です。
そのため、家庭環境は良好か、ちゃんと子どもを育てられているのかが重要視されるのです。
家庭環境を良くするには、子どもと信頼関係を築きましょう。
子どもが間違ったことをしたときは、頭ごなしに怒るのではなく、どこをどう間違っているのかを説明しましょう。
子どもが納得すれば、次からはちゃんとするだろうと、親が子どもを信用できます。
学校の教育方針の理解と入学への熱意
親が学校の方針をしっかりと理解しているか、入学への熱意があるかどうかがチェックされます。
のびのびとした校風や、学力を伸ばす校風など、学校によって方針は異なるものです。
それに応じて、元気で活発な子どもや真面目な子どもなど、求める子ども像は異なります。
のびのびと体を動かしたい方針であるのに、学力を優先する小学校を受験しても、双方の方針がかけ離れてしまいます。
この場合は、受験に合格するのは難しいでしょう。
事前に学校の方針への理解を深めておくのは、受験対策で重要です。
具体的には、学校の公式サイトや説明会で方針を確認して、学校が重視するものを把握しましょう。
学校の方針を理解すれば、熱意があると判断されます。
まとめ
小学校受験は、親の学歴だけで合否が決まるわけではありません。
親の学歴を聞くのは、小学校入学前の子どもが保護者と切り離せない存在であり、生活習慣やマナーを親から教わっているかを知るために、参考として親の学歴を聞きます。
ただ、実際に小学校受験に挑むのは、高学歴の親がほとんどです。
自身が高学歴のため教育熱心であったり、自分と同じ質の高い教育を受けさせたいと考えたりする理由からですが、親が高学歴でなくても、小学校受験に合格する可能性は十分あります。
親の学歴よりも、教育方針や学校の方針の理解度、家庭環境が重要視されます。
自分が低学歴だからといって小学校受験をあきらめずに、小学校受験対策をおこなっていきましょう。