言葉が増えると同時に、どんどん活発になると、悩ましいイヤイヤ期の始まりです。
癇癪を起す、おもちゃを投げ出し泣き出すなど、コミュニケーションが取りにくくなり、困っている親御さんも多いでしょう。
この記事では、イヤイヤ期の原因や対応方法、乗り越えるコツを解説します。
イヤイヤ期とは
言葉を発するだけなく、意味を理解できるようになると、子どもにも自我が芽生えるようになります。
イヤイヤ期の子どもは感情コントロールもうまくいかず、もどかしい気持ちでいっぱいです。
やりたい・伝えたいことが親にわかってもらえない、苛立ちが「イヤ!」の言葉で表現されています。
イヤイヤ期はいつから?
いつから始まるかがわかればパパ・ママも心構えができますが、子どもの成長によって始まる時期は違います。
早い子どもでは1歳前後から兆候が見られますが、一般的には2歳がピークです。
自分の気持ちを言葉で表現できる3歳前後にはイヤイヤ期も落ち着き、自分の意見が通ることだけではないことに気付いていきます。
イヤイヤ期の特徴
子どもの年齢や性格により、イヤイヤ期の特徴に違いがあります。
具体的な行動パターンの特徴を見ていきましょう。
癇癪を起こす
自分の思い通りにことが進まない、親が理解してくれないことに対して怒り、癇癪を起こします。
やりたい気持ちに対して、体や知能が置いてきぼりになるのを不快に感じているからです。
何とかしたいのにできないもどかしさがあるため、欲求が満たされるまで暴れることも少なくはありません。
できないことをやりたがる
やりたいこととできることを自分で理解できないため、親の真似をして行動する子も増えてきます。
1人でやりたがるため危険なことは避けるべきですが、見守れば問題ないようであれば、どんどんチャレンジさせましょう。
うまくできなくても「すごいね」「またやってみようね」と満足度を高める声掛けが大切です。
すべてのことにイヤイヤする
自己主張をしたいのにうまく表現できないと、すべてを「イヤ」で片付けます。
ママやパパに抱っこして欲しいのに、手を差し伸べれば「イヤ」といい、離れると「イヤイヤ」と泣き出してしまうものです。
親としては、どうすれば良いのかわからず、ストレスだけが蓄積されます。
その日の気分によって、何がイヤかも違うため、見守る姿勢で過ごすようにしてください。
イヤイヤ期の対応方法
イヤイヤ期は、子どもに合わせて柔軟な対応が必要です。
子どもを1人の人間として尊重し、成長を促せるような対応をしていきましょう。
やりたいことをやらせる
自分の意思が通らない物事に対して癇癪を起こすし、イヤイヤと否定することが増えていきます。
子どもの目線で考えると、「なるほどな」と共感できることはたくさんあるはずです。
面倒だからと手を出してしまうと、自分の意見が通らないと腹を立て、イヤイヤ期が長くなります。
どうすれば達成感を味わせられるかを考え、子どもをサポートしましょう。
交換条件で言うことを聞かせない
時間がない・急いで行動しなければならないと、「○○してあげる」などと交換条件で子どもを動かそうとします。
イヤイヤいうたびに交換条件を出してしまうと、親の言うことを聞かない子どもになってしまいます。
どうしてぐずっていたのかもわかりませんし、意思の疎通ができないのは良くないことです。
落ち着くまで時間をかける
何とかして話を聞こうと声をかけても、一度ヒートアップした子どもは気持ちの切り替えができません。
少し時間をおいてから声をかけるようにする、好きな絵本やおもちゃを近くに置くと気持ちが落ち着くこともあります。
親が何かに夢中になると興味が移るケースもあるため、子どもに危険がないものを側に置くといいでしょう。
子どもは動いたり、音が出たりするおもちゃに反応しやすいため、太鼓などを使うのもおすすめです。
前もってスケジュールを伝える
大人が感じている時間より子どものほうがゆっくり感じるため、今やっていることをすぐにやめられません。
たとえば、ブランコなら「10回数えたら終わり」と言って、一緒に数えるのもいいでしょう。
「時計の針がこうなったら、お片付けだよ」など、事前に伝えると心の準備が整いやすいのです。
自分が側を離れるときも、「ママ、おトイレに行ってくるけどいいかな」と声掛けすれば大人しく待っていられます。
出かける予定などは、カレンダーにシールを貼ったり、〇をつけたりして子どもが理解しやすくしておくといいでしょう。
子どもの時間に合わせる
イヤイヤ期は、心も体も未発達なために処理するまでの時間が必要です。
大人のように5分前行動などができるわけもなく、事前に知らされた時間がきても、すぐには行動に移せません。
急いでいるからと手を出せば「イヤイヤ」が始まるため、もどかしい気持ちになるでしょう。
大人が行動したい時間に合わせるためには、その前に子どもが自主的に動けるようにすることです。
3時に家を出たいのであれば、子どもには30分早い時間を伝え、大人も同じように支度をするのがおすすめです。
大人の時間に子どもを合わせるのではなく、子どもの時間に合わせて活動できるようにしてください。
イヤイヤ期にやってはいけない対応
子どもの成長のため、避けて通れないのがイヤイヤ期です。
ストレスを強く感じてしまいますが、やってはいけない対応は避けましょう。
何にでも「ダメ」と言ってしまう
危険行為は注意が必要ですが、なんでも頭ごなしに「ダメ」と言うのは良くありません。
親からの否定は自己肯定感を著しく低くさせるため、自信を喪失させます。
危険である・やってはいけないなど、理解させることが大切です。
「早くしなさい」とせかしてしまう
大人と子どもでは時間の感覚が異なるため「早く」とせかしても、思うようには行動できません。
急かすほど親はヒートアップしますから、最終的には叱りつけてしまうはずです。
子どもが萎縮してしまい、自分の意見がいえなくなり、親の顔色をうかがうようになるなどよいことは1つもありません。
子どもを大人に合わせるのではなく、大人が子どもに合わせて行動するようにしてください。
「また今度」と曖昧な返事をする
イヤイヤ期のわがままをすべて受け入れられなくても、その場しのぎで返事をしてはいけません。
いつなら希望通りにできるのか、はっきりさせましょう。
受け入れられないのであれば、できない理由をしっかり説明することです。
子どもだからと適当な返事でごまかしていると、ママ・パパは嘘ばかりで信用できないと思い込まれます。
イヤイヤ期を乗り越えるためのコツ
終わりがあるとわかっていても、毎日イヤイヤされると大人のほうが参ってしまいます。
「こんな時期もあった」と笑い話にするために、簡単にできることから実践しましょう。
自分一人で抱え込まない
イライラするからといって、パートナーに頼りきっていませんか?
イヤイヤ期をママだけ・パパだけで対応せずに、解決に向けて2人で話し合いましょう。
お互いの両親にアドバイスをもらう、保育所を利用しているのであれば、クラスの保育士さんでも構いません。
1人で悩むのではなく、他人のサポートを受けるのも検討してください。
専門のサポートを受ける
子どもの個性によってイヤイヤ期の対応は異なります。
ご両親やパートナーでは対応ができないのであれば、子育て支援を利用するのも方法です。
地域の支援センターには、保育士や保健師が常勤し、子育ての悩みや相談を受け付けています。
市町村のファミリーサポートでは、預かり保育もおこなっているため、ママ・パパの息抜きに利用するのもおすすめです。
成長に欠かせないイヤイヤ期を親子で乗り越えよう
子どもの成長に必要なプロセスであるイヤイヤ期ですが、毎日「イヤイヤ」と言われるのはつらいものです。
つらい時期も自然に終わりを迎え、子どもの成長した姿を目にできるようになります。
子どもがやりたがることは、危険でない限りはどんどんやらせてあげましょう。
おもちゃや絵本などは、親が選ばずに子どもに選ばせるなど、積極的な気持ちを大切にしてあげてください。