子どもが2才前後になるとはじまる「イヤイヤ期」。
何をするにも「イヤ!」と言われると、つられてイライラしたり、対処に疲れたりして、悩んでいるパパやママも多いのではないでしょうか。
この記事ではイヤイヤ期の原因や対処法、イライラしないコツを解説します。
どれもすぐに実践できるため、イヤイヤ期にお悩みのパパ・ママはぜひチェックしてください。
イヤイヤ期とは
赤ちゃんから幼児に成長する2才頃は、何に対しても「イヤ!」と表現する時期です。
何かをやろうとすると「イヤ!」、別の提案をしても「イヤ!」、挙句の果てに理由もわからず「イヤ~!」と泣きわめいてしまう子どももいます。
これをイヤイヤ期と呼び、1才半頃からはじまり、2才がピークとなるため「魔の二歳児」とも呼ばれます。
さらに成長して3才を過ぎると、イヤイヤも治まりますが、一時的でも苦労している親御さんは多いもの。
イヤイヤ期の原因は何なのでしょうか。
イヤイヤ期の原因
「イヤ!」の主張が強くなるイヤイヤ期の原因は4つ挙げられます。
一つずつ、例をだしながら解説します。
自我が芽生えた証拠
赤ちゃんにはまだ自我がありません。
成長して1才を過ぎた頃から「自分は○○がしたい」と、自我が芽生えます。
しかし、まだ自分がやりたいことをうまく伝えられず、「イヤ!」と言ってしまうのです。
自分はおもちゃで遊びたいのに、パパやママから出かけると言われて、「イヤ!」。
おもちゃで遊び続ける子もいれば、その後おもちゃを片付けられて泣き出してしまう子もいるかもしれません。
イヤイヤ期は、自分はこれがしたいと自我が芽生えた証拠でもあります。
かまってほしい気持ちの表れ
赤ちゃんから成長したといっても2才はまだパパやママに甘えたい年齢です。
一緒に絵本を読みたい、抱っこしてほしいと思ったときにしてもらえないと、「イヤ!」が発動する場合もあります。
パパやママは家事に仕事に忙しく、なかなか子どもの希望どおりに対応できないときもあるでしょう。
甘えたいのにかまってもらえないと、イヤイヤモードになってしまいます。
自分でやりたいのにうまくできないもどかしさ
2才頃になると、ごはんを食べたり靴を履いたりと自分でできることが増えていきます。
また、何でも自分でやってみたいと思うのもこの頃です。
自分ひとりでやりたいのに親が手を出そうとして「イヤ!」と言ったり、自分でやりたいのにうまくできずに悔しくなって泣いてしまったりする子もいます。
自分でできると思ったのに、思うようにいかないもどかしさが原因の場合もあります。
「眠い」「疲れた」などの感情表現
体力が付いてきて昼寝をしなくなったり、休憩よりも遊びに夢中になったりと、活発な子も多いでしょう。
本人の自覚はなくとも、身体は疲れて眠くなっている場合があります。
自覚がないため眠気や疲れを上手に伝えられず、なんとなくグズグズしたり、普段は気にならないことにもイヤイヤがはじまったりするときがあります。
いつもより機嫌が悪く、イヤイヤが続くときは身体の疲れのサインかもしれません。
イヤイヤ期の対処法
子どもに声をかけても「イヤ!」と返され、対応に困っている方もいるのではないでしょうか。
イヤイヤ期の子どもに対する声かけや、やりとりの仕方をご紹介するので、参考にしてください。
子どもの気持ちに共感する
自分の主張を無視されて、意に反する行動をさせられるのは大人でも嫌な気持ちになりますよね。
子どもなりに考えがあって「イヤ!」と主張しているため、一度共感してあげると落ち着いて話ができるようになります。
例えば「今はイヤなのね。じゃあ遊び終わったら、片付けできる?」と聞いてみてください。
共感をはさむと、子どもも納得して話を聞いてくれるようになります。
自分でやりたい気持ちを優先する
自分で服を着たいときや、ごはんを食べたいときに出るイヤイヤは、親が手を貸すのをやめて本人にやらせてあげましょう。
朝の時間がないときは大人がやったほうが早いから、とやってしまいたくなりますが、一度は子どものやりたい気持ちを優先してあげてください。
少し様子をみてから「手伝ってもいい?」と聞き、少し手を貸したり、子どもが気付かないようにフォローをしたりするとスムーズです。
気分転換を促す
1つにこだわってイヤイヤが治まらないときには、気分転換を促すのも有効です。
入ってはいけないところに入りたいと言っていたら、「向こうにすべり台があるから行ってみよう」と子どもの関心に合わせて別の提案をしてみましょう。
やりたい気持ちを優先させたくても、社会のルールや身の危険などやらせてあげられない場合もあります。
癇癪を起しているときには話が伝わらない場合も多いため、一度気分転換をして落ち着いてからルールや状況の説明をしてあげるとよいでしょう。
イヤイヤ期のNGな接し方
ここではイヤイヤ期に、避けるべき接し方3つを紹介します。
以下の接し方は子どもの成長を妨げたり、悪影響を及ぼしたりする可能性があるため、注意しましょう。
「ダメ」と否定する
子どものやりたい気持ちを「ダメ」と言って押さえつけたり、自分で挑戦していることに対して「そのやり方はダメ」と否定したりするのは避けましょう。
せっかく自らやってみようと思ったのに否定されるのが続くと、子どもの意欲はなくなってしまいます。
自主性や積極性を損なわないよう、できる限りやらせてあげるのが大事です。
やり方が間違っている場合は、手本をみせたり、正しいやり方で一緒にやったりするとよいでしょう。
おどして従わせようとする
「ごはん抜きにするよ」や「おばけが出るよ」などと、おどして従わせるのもよくありません。
その場は言うことを聞いても、また同じことを繰り返す可能性もあります。
何がいけないのか説明したり、どうして次の行動にうつらないといけないのかを理解させたりすると、次第にイヤイヤも減ってくるでしょう。
忙しい大人は物事をスムーズに進めるために子どもを従わせようとしてしまいますが、子どもなりの主張や考えを尊重し、きちんと話をするのが大切です。
感情的に叱る
子どものイヤイヤが続くと、大人の感情も揺さぶられて、イライラしてしまうときはありませんか。
パパやママが怒って怖いから行動をやめるのは、根本的な解決になりません。
また、怒ればやめると無意識にインプットされて、感情的になるケースが増えるおそれもあります。
一呼吸おいて感情を抑えてから、冷静に話をするように努めましょう。
イヤイヤ期にイライラしないコツ
イヤイヤ期の子どもと接していると、大人の心労も多くイライラしてしまう、と悩む方もいるのではないでしょうか。
子どもに感情をぶつけないためにも、イライラしないコツを3つ紹介します。
子どもと少し距離を置く
常に子どもと一緒にいて、遊び相手をしながらイヤイヤの対応もするのは大変です。
自分の心が疲れてきたら、子どもの安全を確認したうえで少し離れてみるとよいでしょう。
目が届く範囲で家事をしたり、一度お茶を飲んでみたり、気分転換を挟むとイライラしにくくなります。
時間に余裕をもつ
外出前の時間がないときに限って、子どもが自分でやりたがるのはよくあります。
急いでいるから大人がやってしまいたいとイライラしないように、時間に余裕をもって行動するとよいでしょう。
時間の余裕は心の余裕にもつながります。
子どものペースでも間に合うような時間配分を考えて行動すると、イヤイヤに対処する時間も確保できてイライラしにくくなるでしょう。
イヤイヤ期の特徴を理解する
どうしてこんなにイヤイヤ言われるのかと、悩んだり感情的になったりするときもあるでしょう。
イヤイヤ期は成長段階の一つで、子どもに自我が芽生えてきていると理解すると、イライラせずに見守れます。
自分でやりたい気持ちをうまく表現できないんだとわかると、イライラせずに対応できるようになります。
対処法を理解して、イヤイヤ期を乗り切ろう
あらゆることに対して「イヤ!」を連発するイヤイヤ期は、子どもに自我が芽生えてきた証であり、成長段階の一つです。
また時間に余裕をもって行動すると、イライラせずに落ち着いて対処するのも可能です。
子どもの意思を尊重しながら、繰り返し話をして、親子ともにイヤイヤ期を乗り切れるでしょう。