小さいお子さんをもつ親御さんのなかには、おもちゃの選定に悩むこともあるでしょう。たとえば「子どもが楽しむだけでなく知識やスキルを伸ばすおもちゃがあればなあ……」といった悩みです。
このようなおもちゃは、一般的に「知育玩具」と呼ばれています。この記事では、知育玩具の特徴や一般的なおもちゃとの違いについて解説します。また、知育玩具のメリットとデメリット、年齢別におすすめの知育玩具について紹介しますので、選ぶ際の参考にしてみてください。
知育玩具とは
育玩具は、子どもたちの成長と学習を促進するためにデザインされたおもちゃです。子どもの脳は6歳までに約90%が形成されるといわれ、知育玩具はその発達を援助する重要なツールとなっています。
「知育」は、教育学者ハーバート・スペンサーによって提唱された「三育(知育・徳育・体育)」のうちの1つであり、おもに思考力や判断力といった知力を伸ばすことを目指す教育です。
知育を育てる玩具として以下のものが挙げられます。
- 形状や色を認識するためのパズルやブロック
- 文字や数字、アルファベットが学べるカードや積み木
- 略や論理的思考を育てるゲームやパズル
- 造性を育む楽器やお絵描きツール
- 社会性を養うごっこ遊びに使う道具
子どもたちは知育玩具を通じて好奇心を刺激され、自分で考えたり触れたりして学びを深めます。お気に入りの知育玩具を通じて、子どもたちは学ぶ意欲や学び方を身につけ、楽しみながら成長することが期待されます。
通常のおもちゃと知育玩具の違い
知育玩具は、おもちゃの一種であり、明確な定義は存在しません。
ただし、知育玩具と一般的なおもちゃとの違いを挙げるとすれば、その目的です。知育玩具の目的は遊びながら知的発達や学習を促すことであるのに対し、普通のおもちゃは子どもたちが楽しむことを主たる目的としています。
読者の皆様のなかには、知育玩具を学習教材と思っている方がいるかもしれません。しかし、両者の目的は異なります。学校や塾などで使用される教材は知識量を増やすものですが、知育玩具は知識を伸ばすための基盤をつくることが目的です。
「知育玩具」は、知的好奇心や意欲、意欲、集中力、創造力などの知的能力を引き出すように工夫されています。楽しみながら遊ぶことで、子どもの知的能力の発達を促すおもちゃなのです。
知育玩具のメリットとデメリット
知育玩具で遊びながら子どもたちはさまざまな能力を伸ばしていきます。ただし、親御さんとして、知育玩具の負の要素や注意点を理解しておくことは重要です。
以下より、子どもたちに知育玩具を提供するメリットとデメリットを解説します。
(1)メリット
知育玩具は、子どもたちが楽しみながら成長するための有益なおもちゃです。その効果として以下に4つ紹介します。
- 楽しみながら知識を身に付けられる
- 論理的思考や問題解決力を養う
- 就学前の学習準備ができる
- 手先が器用になる
- ポジティブな経験を得られる
子どもたちは知育玩具を通じて、楽しみながら新しい知識を取り入れることができます。遊びのなかで課題を解決する方法を学んだり、言語的あるいは数的概念を自然に身につけられます。つまり、知育玩具は就学前の準備として活用できるのです。
さらに、ブロックやパズルなどの知育玩具は手と目の協調性を高め、細かい動作能力を向上させます。手先の器用さは脳の発達にも良い影響を与えます。
子どもたちにとって楽しく遊び、学べる知育玩具は、学習意欲や集中力の向上、成功体験の積み上げにも有効です。
(2)デメリット
知育玩具には多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。以下に、そのデメリットについて解説します。
- 子どもによっては難しすぎる場合がある
- 年齢に応じた買い替えが必要である
- 一部には高価な玩具もある
知育玩具は子どもの発達や年齢に合わせて選定することが重要です。操作が難しすぎる玩具では子どもが興味を示さない、あるいは失敗ばかりで癇癪を起こしてしまうかもしれません。
また、成長年齢に応じた新しい知育玩具を購入する必要がある点も課題といえます。その理由は、頻繁に買い替えが必要となれば費用がかさむためです。一部の知育玩具は高価であり、予算の制約がある家庭にとっては負担となるかもしれません。
以上のように、知育玩具のメリットとデメリット両面を理解しながら、適切な知育玩具を選ぶ必要があります。高価な知育玩具も販売されていますが、サブスクリプションやリサイクルショップなどを活用しながら、お手頃で知育玩具を購入することも可能です。
知育玩具を用意した場合は、お子さんに提供するだけにならないようにしましょう。お子さんが玩具に興味をもち、やり方を理解して遊べるようになるまで、親御さんが身近で一緒に遊ぶ姿勢も求められます。
年齢別おすすめの知育玩具
知育玩具で子どもたちが楽しく遊ぶためには、年齢に応じたおもちゃを選ばなければなりません。以下に0~1才、2~3才にわけておすすめの知育玩具を紹介します。
(1)0~1才
0才の子どもは、生まれて直後の寝ているだけの時期から指先や身体全体を使う時期まで、その成長は急激に進みます。このため、知育玩具も数ヶ月まで、半年、1年後といったように成長に応じて変わる可能性があります。
以下に紹介するのは、この時期の赤ちゃんが好む知育玩具です。
1. ベッドメリー
赤ちゃんの頭上でおもちゃがぐるぐると回る知育玩具です。寝ているだけの赤ちゃんが動くおもちゃを目で追うことで、視覚の発達を促します。オルゴール音を聴いたり、触れたりすることで五感や身体機能も刺激されます。
2. 積み木やキューブ
み木やキューブは、生後6ヶ月過ぎの赤ちゃんにおすすめの知育玩具です。手を握ったり物をつかんだりできるようになることで、指先の器用さのほか、創造力や集中力などを養います。
3. 木製ラトル
さまざまな素材に触れることで五感を刺激し、手や指の感覚を鍛える木製のラトルも。赤ちゃんが手で握りやすい形状や、安全な木材で作られていることがポイントです。
以上のような知育玩具が、赤ちゃんの成長段階に合わせて適切な刺激を与えてくれます。視覚や触覚、手の器用さを発達させつつ、楽しさと安全性に配慮した玩具を選び、親御さんも一緒に遊んでみましょう。
(2)2~3才
2〜3才になると、手先がさらに器用になり遊べる幅が広がります。ここでは、自分で制作する楽しさを見いだして、手先を自在に使ったり想像力や集中力を高めたりできる遊びを2つ紹介します。
1. お絵かきボード
自由に消したり描いたりできるお絵かきボードは、子どもの想像力や手先の器用さを育みます。文字を書くのが難しい子どもでも、絵を描くことで自己表現の心地よさや楽しさを感じることでしょう。
2. 粘土
柔らかく、丸めたり伸ばしたりできる粘土は子どもの想像力を豊かにし、夢中になって取り組むなど集中力を育みます。粘土の触感を楽しみながら自由に形をつくるのは、子どものクリエイティブな能力を引き出します。
知育玩具で子どもたちの成長をサポートしよう
知育玩具は子どもたちの成長と学習をサポートする重要なツールです。楽しみながら手先の器用さやスキルが向上し、知的発達をさらに促します。
しかし、親御さんが知育玩具を用意してもまったく遊ばない、あるいはすぐ飽きてしまう場合も考えられます。これを避けるには、お子さんの年齢や興味に合わせた知育玩具の選定が重要です。
この記事で紹介したポイントやおすすめ玩具を参考に、お子さんが楽しみながら集中して遊べる環境を整えていきましょう。